子宮筋腫核出術
子宮筋腫核出術は、子宮を残して子宮筋腫の部分だけを
繰り抜いて取り去る手術です。
将来、妊娠・出産を希望する人や、
子宮を取ることに抵抗がある人が対象になります。
手術前の検査は詳細に行われる
子宮筋腫核出術の場合は、安全のために、
全摘術よりも、より詳しい情報が必要となりますので、
手術前の検査も全摘術よりも多く、入念に行われます。
手術の方法
以前では子宮筋腫の手術といえば、
開腹手術しか方法はありませんでしたが、
最近では腹腔鏡下手術や子宮鏡下手術、
膣から子宮筋腫や子宮全体を摘出する膣式手術も
選択肢として選べるようになりました。
また、有形粘膜下筋腫などは、膣からねじりとったり、
茎部を切断することもあります。
手術前に採血するときも
子宮筋腫核出術は、筋腫を一つ一つ取り除いていくので、
筋腫の数や大きさによっては子宮筋層の切り口が広くなり、
全摘出よりも出血が多くなります。
実際に輸血が必要となるケースは少ないのですが、
手術前に自分の血液を採血しておいて、
万一の場合の輸血に備えることがあります。
手術後も再発の可能性が残る
子宮筋腫は、大小多数できている場合も多く、
小さな筋腫の芽までは、手術でも取り切ることができません。
取り残した筋腫の芽が、将来大きくなって、
症状が再発することも、かなり高い確率でありえます。
この手術法では、再発の可能性もあることを
知っておいてください。
癒着が起こる可能性は高い
核出術は、摘出した傷口に卵巣や卵管、大腸、小腸などが
くっつく癒着が起こりやすい、という問題があります。
腹腔鏡下手術で40%、開腹手術では90%以上の人に
癒着が起こります。
癒着が起こっても悪い症状がでなければ問題ないのですが、
極めてまれに、卵巣や卵管の癒着が原因で不妊となったり、
腸閉塞(イレウス)になったりすることがあります。
子宮筋腫核出術が難しい場合もある
この手術法は、ほとんどの筋腫に適応できますが、
筋腫や周辺器官との状態によっては、手術が難しい場合が
あります。
子宮筋層内に、無数の筋腫が連なっているような場合などは、
核出術で全ての筋腫を取り切ることができません。
このような場合は、子宮全摘術か、子宮動脈塞栓術(UAE)など、
別の方法を検討する必要があります。
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