子宮筋腫の超音波検査
子宮に関する検査を行うとき、超音波検査は、現在ほとんどの医療機関で行われる検査です。
人間の耳には聞こえない高い周波数の音波をあててはね返ってくる反射波(エコー)を、コンピューターで画像化し、モニターに映し出すものです。
超音波検査は、特に痛みを感じずに、何回繰り返しても副作用はなく、X線検査と違って被爆の危険性もありません。お腹の中の様子はモニターに映し出されますので、他の画像診断と違って、すぐに結果がわかります。
このとき、患者さんも医師の説明を受けながら一緒にモニターで見られるのがいいところです。質問があれば、ぜひその場で聞いてみましょう。
超音波検査で子宮筋腫を調べる方法には、主に経腹法と経膣法があります。
経腹法は、超音波が通りやすいようにお腹にゼリーを塗り、その上からプローブ(超音波発信機)を当てる方法で、直径10cm以上の大きな筋腫を観察するのに適しています。
経膣法は、細長いプローブを膣の中に入れる方法で、小さい筋腫の発見や粘膜下筋腫の診断に役立ちます。妊娠していないとき、あるいは妊娠初期には、おもに経膣法が用いられます。
経膣法が不可能な場合、また性経験のない人には、肛門から直腸にプローブを入れる経直腸法で検査することもあります。経膣法に抵抗のある人は、医師に相談してみてください。
超音波検査では、子宮筋腫の位置や大きさ、数などがわかります。さらに経膣法だと、子宮内膜の状態や卵巣内の卵胞の大きさなども観察できます。
ただし、子宮筋腫の大きさの測定に関しては、多少の誤差はしかたないところです。子宮筋腫は全てが球形とは限らず、筋腫と正常な筋肉の境目もはっきりしないことが多いので、測定しにくいためです。MRIでは可能な5mm以下の小さな筋腫も判別することはできません。子宮筋腫と子宮腺筋症との違いを見極めるのが難しい場合もあります。
超音波検査の所要時間は、1~3分程度です。経膣法の場合は、内診終了後に続けて手早く行われて、患者さんが気づかないこともあります。
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