子宮筋腫の手術をするか、しないか
子宮筋腫は、一概に大きさだけで手術の適応が判断されるわけではありません。大きさというよりも、子宮筋腫が原因となる過多月経や圧迫症状などがひどい場合や、筋腫が不妊の原因になっていると思われる場合には、やむなく手術が適応されます。
けれども、このような症状がない場合や、あっても軽い症状の場合は、手術を適用するかしないかの判断は難しくなります。
子宮筋腫は良性の腫瘍であり、悪性化する可能性はほとんど無いので、症状がない場合には経過観察となる場合も多いのです。
手術が必要となるか否かの判断は、筋腫の大きさや数、位置を見るのは当然なのですが、それだけで決定するわけではありません。年齢や妊娠の希望、筋腫の成長速度、治療選択肢などを考慮して、総合的に判断する必要があります。
子宮筋腫は通常、年齢とともに大きく成長していきます。しかしその成長速度はかなりの個人差があり、長年大きさがあまり変わらない人もいます。経過観察で大きさがあまり変化しないなら、当面は手術の必要はないでしょうし、筋腫が年々大きくなっていて閉経はまだ先の人なら手術の必要がでてくるでしょう。
セイフティゾーンである閉経にすべりこんでしまえば筋腫は小さくなりますので、45歳を過ぎている場合は、かなり大きい筋腫でも手術を差し控えることもよくあります。
治療法に希望があるなら、それも手術をするかしないかに関わってきます。筋腫が大きくなってしまうと治療法の選択肢が限られてきます。ダメージの少ない腹腔鏡手術などを希望するなら、筋腫がある程度小さいうちに手術を決断する必要があります。
このように手術をするかどうかは、さまざまな要因がからんできますので、いろいろなケースを考えながら判断することが大事です。次の4つの要因を、自分の状況に当てはめてじっくり検討してください。
手術を決める4つの要因
- 筋腫の状態
- 筋腫の大きさはどれぐらいか?
- 筋腫の位置はどこか?
- 筋腫の数はどれぐらいか?
筋腫の成長速度
- 筋腫の成長速度は速いか、遅いか?
- 観察するごとに大きく成長しているか?
本人の状況
- 閉経が近いか、まだ先か?
- 妊娠を希望するか、しないか?
- 子宮を残すか、残さないか?
治療選択肢
- どんな治療を受けたいか?
- その治療法は、筋腫がどれぐらいの大きさまで可能か?
スポンサーリンク
前の記事: 子宮筋腫と人生設計
次の記事: 子宮筋腫の手術をすすめられたとき