手術するタイミングと手術前の準備
子宮筋腫は良性筋腫ですので、一刻を争って手術しないと
いけないようなことは、あまりありません。
仕事の都合や家族の事情で、手術を数ヶ月ずらしたいと
思ったときは、可能なことがほとんどですから、
医師に相談してみましょう。
子宮筋腫の手術のタイミング
子宮全摘術の場合は、月経周期を気にすることはなく、
いつでも手術が可能なのですが、子宮筋腫核出術や
子宮鏡下手術の場合、通常は月経時を避けて、
月経直後に手術が行われることがほとんどです。
月経直後は、子宮内膜が剥がれ落ちて薄くなっているので、
手術による傷が子宮内腔に達していたときの修復が容易く、
また子宮鏡下手術では子宮内腔の様子が見やすい、などの
理由によります。
手術前の準備
貧血の治療・改善
月経過多で血液がたくさん失われると、鉄欠乏性貧血に
なります。
貧血の症状があると、手術で麻酔をかけたときに、
血圧が不安定になったり、少しの出血でも輸血が
必要になったりするので、手術前の治療が必要です。
事前の血液検査で、ヘモグロビン値が11g/dl以下の場合は、
治療の対象となります。
治療は、鉄剤を服用することで行われます。
貧血の治療に使われる鉄剤
鉄剤の服用で改善しなければ、月経を止めるために
GnRHアゴニストを使用することもあります。
子宮筋腫のホルモン療法
また鉄剤と点滴を併用したり、輸血を行うこともあります。
自己血を採血しておく
子宮筋腫が大きかったり、多かったり、また周辺組織との
癒着が剥がれたりして、手術中に出血が多くなると
輸血が必要になる場合があります。
こういう場合に備えて、事前に自己血を採血しておくと、
感染などの心配もありません。
自己血は1回に200ml~400mlを採血し、合計400ml~800mlを
貯血して、万一の場合に備えます。
筋腫を小さくしておく
核出術の場合は、全摘術よりも手術時の出血が
多くなり、ときには輸血が必要になることもあります。
大きな筋腫を核出する場合、そのまま手術するとかなりの
出血の可能性があるので、あらかじめGnRHアゴニストを
使って、筋腫を小さくすることがあります。
GnRHアゴニストを使用する場合は、2~3ヶ月使用しますが、
必然の処置というわけではりません。
医師が病状と患者さんの身体の状態を診断して判断します。
子宮内膜を薄くしておく
子宮鏡下手術の場合、子宮内膜が厚いと子宮の中が
よく見えなくなり、手術が難しくなります。
そのため、GnRHアゴニストを使用して子宮内膜を薄くして
おきます。
職場での打ち合わせ
仕事を持っている人は、主治医に職場復帰の目安を聞いておき、
予定休職日数を診断書に書いてもらいましょう。
その診断書を添えて休暇届けを職場に提出するとともに、
仕事の引き継ぎや復帰のタイミングについて、上司や同僚と
よく打ち合わせしておきましょう。
家族との打ち合わせ
入院の間、家事はだれが何を担当するのか、
子供の世話をどうするのか、などを家族と話し合っておきましょう。
保険会社への確認
子宮筋腫の治療や入院が給付対象になっている保険に入っているなら、
あらかじめ保険会社に内容詳細や必要書類などを確認しておきましょう。
スポンサーリンク
前の記事: マイクロ波子宮内膜アブレーション(MEA)
次の記事: 入院から退院までの日数とスケジュール