子宮筋腫が原因の産後出血
自然分娩したとき、胎盤が子宮壁から剥がれたあとから
多少の出血がありますが、通常ならこの出血は、
子宮が急激に収縮することにより自然に止まるようになっています。
ところが、大きな子宮筋腫や多発性の子宮筋腫があると、
子宮の収縮がうまくいかず、血管が閉鎖されずに出血が多くなったり、
いつまでもだらだらと出血が続くことがあります。
これを弛緩出血といい、大量出血につながる恐れもあります。
特に痛みはないことが多いので、出血を自覚するのが難しく、
早期に発見することはなかなか困難な症状です。
弛緩出血は、分娩中や分娩後すぐに始まることもあれば、
子宮内に溜まっていった血液が、産後数時間後に突然吹き出すこともありますので、産後しばらくの間は注意が必要です。
弛緩出血を起こした場合は、まず子宮内を触診で調べます。
胎盤が残っているのが原因であれば除去すれば出血は止まります。
それでも止まらない場合は、子宮収縮薬を投与し、
子宮収縮を促進するためのマッサージや圧迫法による止血などが行われます。
出血量が多い場合には輸血が必要になることもあります。
また、弛緩出血ではなくても、子宮内腔内に飛び出した子宮筋腫から出血が続くこともあります。
このような出血は予防することは難しいのですが、
子宮筋腫がある場合、医師はこのようなケースを予想して慎重に対応し、
早期に発見して速やかに適切な処置を行えるように努めます。
スポンサーリンク
前の記事: 妊娠中に子宮筋腫が見つかったら
次の記事: 子宮の位置と構造