子宮の位置と構造
子宮の位置
子宮は、長さ約8cm、幅約4cm、厚み3cm、重さは約50gの鶏卵大の臓器です。もちろん女性にしかない器官です。袋状で、外観は平べったい洋梨のようなかたちをしています。
子宮は骨盤のほぼ真ん中に位置し、左右6本の上部な靭帯によって、しっかり固定されています。前には膀胱(ぼうこう)、後ろには直腸があり、普通はやや前に傾いた状態でおさまっています。人によっては、後ろに傾いている場合もあり、その状態を子宮後屈(こうくつ)といいますが、位置が違うだけで病気ではありません。
子宮の構造
子宮の構造や各部位の名称をを知ることは、子宮筋腫の症状や治療法を理解するために大事なことです。しっかりと頭に入れておきましょう。
子宮は大きく2つの部分に分けることができます。
上部の2/3のふくらんでいる部分を子宮体部、下部1/3の細い部分を子宮頸部といいます。子宮頸部は、膣につながっています。
子宮体部の左右には、親指大の卵巣がつながっていて、細い管状の卵管が子宮体部の上からのびています。
子宮は外側から、漿膜(しょうまく)、子宮筋層、子宮内膜の3層構造になっています。
外側の漿膜はごく薄い膜で、腹膜とつながっています。
子宮最大の特徴は子宮筋層にあり、それが厚さ1~2cmの筋肉でできているということです。筋肉といっても、横紋筋と呼ばれる腕や足の筋肉とは違い、平滑筋と呼ばれる非常に丈夫な筋肉でできています。子宮の大部分はこの平滑筋でできているので、子宮そのものが非常に丈夫な臓器だといえます。
平滑筋は縦横斜めと自由に伸び縮みすることが特徴です。妊娠したとき、赤ちゃんがどんなに大きく成長しても難なく対応できるのはこのおかげです。妊娠中の子宮は、20倍から30倍もの大きさになりますが全然問題ありません。
その平滑筋は、分娩時には規則正しい収縮運動で赤ちゃんを外に押し出す働きをします。そして出産後1ヶ月もすると、もとの卵大の大きさに戻ります。こんなに大きく柔軟に伸び縮みする器官は、人間の体内では子宮以外にはありません。
袋状になっている子宮の内側は、ビロード状の粘膜組織である子宮内膜に覆われています。子宮内膜は激しい変化を繰り返します。毎月一定の周期で厚みを増し、妊娠が成立しない場合ははがれ落ちて膣から体外に排出されます。これが月経です。そして妊娠が成立した場合は、子宮内膜が受精卵の着床する場所になります。
子宮最大の役目は、妊娠している間、胎児を保護することです。子宮内膜のさらに内側の空間を子宮腔と呼びますが、ここが胎児を守り、育てる場所になります。
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