子宮筋腫が再発したら
子宮筋腫核出術で、症状のもととなった子宮筋腫を摘出したとしても、かなりの確率で再発する可能性があります。
核出術ではすべての病巣を取りさることは不可能で、別の筋腫の芽が成長して、再び子宮筋腫となり、困った症状を引き起こすことが多いのです。
子宮を温存して核出術を選んだ場合、今の医術では完全に再発リスクを抑えることはできません。30代で子宮筋腫核出術を受けた場合、再発して再手術を受ける可能性は20%以上だともいわれています。特に筋腫の数が多いほど再発リスクも高くなります。
また、40代の女性よりも、20~30代の女性の方が再発リスクは高くなります。若いほうが閉経までの期間が長く、卵巣ホルモンにさらされる期間も長くなるためです。
そのため、20~30代の女性で出産を希望する人は、妊娠したい時期の6ヶ月から1年ぐらい前に筋腫を取る手術を受けて、再発しないうちに万全の状態で妊娠するのが理想です。
子宮を温存するために子宮筋腫核出術を選んだ人は、術後も半年から1年ぐらいのペースで定期健診を受けることが大切です。特に筋腫の数が多かった人ほど注意が必要です。
再発したときの治療
子宮筋腫が再発したとしても、生活する上で困った症状が出ないのであれば、特に手術を受ける必要はありません。その場合は、経過観察で様子を見ます。
けれども、月経過多や貧血、腹痛などの症状が重くなるようであれば、再手術を考える必要があります。
ただしその場合、子宮筋腫核出術は、かなり難しくなるのが現状です。
核出術をすると、患部がまわりの臓器とひっつきやすくなります。これを癒着といい、癒着は手術を重ねるごとにひどくなっていくためです。
このような癒着で生活に支障が出ることはまれなのですが、癒着がひどくなると腹痛を起こしたり、卵管や卵巣に癒着がおこると不妊の原因になることもあります。せっかく妊娠を希望して核出術をおこなっても、不妊になってしまっては意味がありません。
このため、子宮筋腫核出術は一般的に2回までが限度だとされています。
再手術でも子宮を温存したい
子宮筋腫が再発しても、子宮を残すことは可能です。
前述のように、2回以内なら核出術が可能な場合も多いですし、40代以降で今後妊娠を望まない場合は、子宮動脈塞栓術(UAE)や集束超音波治療(FUS)といった新しい治療法も選択肢となります。
このように、再手術となっても子宮温存は可能となりましたが、治療法を選ぶ前に、子宮を残す理由を、今一度考え直して見る必要もあると思います。
子宮を取る場合にも、デメリットだけではなく、メリットもあります。少なくとも子宮筋腫の再発リスクはなくなります。
子宮をとるか、とらないか
メリットとデメリットを比べてみて、子宮を取った場合のメリットの方が大きい場合は、子宮の温存にこだわる必要もないかもしれません。
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