子宮筋腫の手術を行う判断
子宮筋腫があると診断されたら、誰しも、
「手術が必要?」と思うでしょう。
子宮筋腫は良性腫瘍なので、筋腫自体が直接的に
悪い影響を体に与えるような病気ではありません。
子宮筋腫によって起こる症状が、日常生活の支障と
なる場合に問題となるのです。
そのため、全ての筋腫に手術や治療が必要なわけでは
ありません。
経過観察だけで何もしない場合もたくさんあります。
子宮筋腫の症状が生活の支障になるか否か、
が重要なのです。
支障にならないのであれば、何もしないで
経過をみる、ということでいいのです。
生活に支障が出るような症状があるときでも、
すぐに手術、ということもありません。
適切な治療で症状を緩和させる対症療法を
行うこともあります。、
閉経が近いのであれば、薬でホルモンの分泌を
抑えて、セイフティゾーンに逃げ切るように
処置することもあります。
それでも症状がひどかったり、出産などの都合など、
必要な場合に手術で対応することとなります。
手術など何らかの治療が必要な場合
- 子宮筋腫で過多月経による鉄欠乏性貧血がひどい
- 子宮筋腫による月経痛がひどい
- 子宮筋腫による圧迫症状がある
- 子宮筋腫による下腹部痛や腰痛などがある
- 子宮筋腫が原因と考えられるひどい便秘や尿の障害がある
- 妊娠を望んでいて子宮筋腫が不妊の原因と考えられる
- 子宮筋腫による早産、流産のおそれがある
手術や薬による対症療法など、医師から何らかの医療措置を
勧められるでしょう。
症状が軽い場合の判断
上記のような症状がない場合や、あっても症状が軽い場合は、
手術の適応判断がむずかしいところです。
ひと昔前では、子宮の大きさがこぶし大になったら手術、
と言われていた時代もありました。
この基準は、今ではあまりあてにならない基準とされています。
現在では、超音波検査やMRI検査の発達により、
子宮筋腫核そのものの大きさが、以前より正確に
調べられるようになってきたのですが、
一概に筋腫の大きさだけで手術の可否判断をすることは
できません。
手術の必要性は、筋腫の状態だけでなく、
筋腫の発達速度や、本人の年齢、状況、
治療方法の選択肢などを視野に入れながら、
総合的に判断することが必要です。
下記に手術の適応判断となる要因をあげてみました。
手術や治療の適応は、医師の判断だけでなく、
本人がどうしたいかが重要です。
下記の要因を自分の状態に当てはめて、
じっくり検討する必要があります。
手術を決める要因
筋腫の状態
- 筋腫の大きさはどれぐらいか
- 筋腫の数はいくつか
- 筋腫の位置はどうか
筋腫の成長速度
- 筋腫の成長が速いか、遅いか
- 観察ごとに大きくなっているか
本人の状況
- 閉経が近いか、まだ先か
- 子宮を残したいか、残さないか
- 妊娠を希望するか、しないか
治療選択肢
- どんな治療を受けたいか
- その治療法は、筋腫がどれぐらいの大きさになるまで可能か
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