子宮筋腫の開腹手術
おなかにメスを入れ、切り開いて行われる手術を
開腹手術といいます。
子宮筋腫核出術、子宮全摘術のいずれでも行うことが
できますし、さまざまなタイプの筋腫に適用できます。
開腹手術のメリット
開腹手術は、おなかの中を広く見渡すことができるので、
安全で確実な手術が行えます。
また医師が 直接患部を見ることができるので、
病態を把握しやすく、癒着などがあっても
確実に手術をすすめることができ、
筋腫以外の異常にも柔軟に対応できます。
おなかを切りたくない場合は、なるべく希望に沿うように
してもらえますが、筋腫が大きくて腹腔鏡下手術では難しい場合や、
癒着がひどい場合には、安全面から回復手術がすすめられます。
おなかを切らない腹腔鏡下手術よりも手術時間が短くすみ、
出血量も少なくなります。
術後の回復には時間がかかる
開腹手術は、安全面では優れますが、おなかを切るので、
他の手術よりもいたみは大きく、術後の回復も遅くなります。
入院期間も腹腔鏡下手術よりも4日から5日ぐらい長くなり、
退院後にも静養が必要で、社会復帰もそれだけ遅れます。
縦に切るか、横に切るかは本人が決める
開腹手術で意外と気になるのが、おなかを縦に切るのか、
横に切るのか、です。
これは本人の希望に沿える場合が多いので、手術前に
医師と相談しておきましょう。
横に切った方が手術あとが目立たない、という理由で
横切開を選ぶ人が多いのですが、腹壁の神経や血管は
縦に通っているので、横に切るとそれらを切断する
ことになり、皮膚の下に血がたまったり(皮膚血腫)、
皮膚に違和感が残ったりすることがあります。
また、何回か開腹手術をすると、横切開の方は
傷口が次第に固くなっていきます。
子宮筋腫の手術をした人は、その後の出産時に
帝王切開になることが多いため、
将来妊娠の予定や希望があるなら、縦切開の方が
良いかもしれません。
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