手術後に起こりやすいトラブル

手術が無事に終わり、術後も順調に回復すればいいのですが、
手術は体への負担が大きく、精神的にも肉体的にも疲労して、
何らかのトラブルで悩む人も少なくありません。

術後のトラブルは、大抵の場合、対処法が確立しているので
一人で悩まずに、早めに医師に相談するようにしましょう。

ここでは、子宮筋腫の手術によって起こるトラブルについて
あげてみます。

膀胱が傷つく

膀胱は子宮に隣接している器官なのですが、子宮全摘術などで
子宮と膀胱を剥離するときに、膀胱を傷つけてしまうことが
あります。

手術中に気がつけば、すぐに傷口を縫合できるのですが、
数日後に膣などからの尿漏れで気づくこともあります。

入院中なら、膀胱にカテーテルを入れて尿取りをしておけば
自然に治ることもあります。
自然治癒しなければ、もう一度開腹して傷口を縫合する場合も
あります。

尿管が傷つく

尿管は子宮のすぐそばを通っていますが、子宮筋腫が
すぐ近くにあったり、癒着がある場合に、手術で傷つけて
しまうことがあります。

手術中に気がつけば、すぐに傷口を縫合し、尿管にカテーテルを
通して、排尿がスムーズになるように処置します。
しかし、手術中に気づかずに、数日後に発熱や腰痛、膣からの
尿漏れで気づくこともあります。

いずれの場合も尿道にカテーテルを通しておくと、
自然に治ることもありますが、治らなければ、開腹手術で
傷口を縫合する場合もあります。

腸が傷つく

腸は、子宮から離れているので、手術で傷つくことは少ないのですが、
手術の既往、子宮内膜症の合併などで、腸と子宮が強く癒着し、
それを引き離すときに、腸を傷つけてしまうことがあります。

手術中に気がつけば、すぐに傷口を縫合できるのですが、
数日後に腹膜炎を起こして気づくこともあります。
その場合は開腹手術で対処する必要があります。

手術の縫い傷から出血する

手術当日や翌日に、血管を縛った糸がはずれて出血したり、
止血した箇所から再出血することがあります。
それを止めるために、再度開腹手術を行うこともあります。

また、血腫(皮下の血の塊)ができて、発熱が長引いたり、
その部分が痛むことがあります。
血腫が大きい場合には、その箇所を切開して止血したり、
ドレーンという管で血液を排出したりする必要があります。

手術の縫い傷が開いてしまう

傷口の感染、肥満や糖尿病の合併、栄養不良などの理由で、
手術で縫合した傷が開いてしまうことがあります。

たいていは、皮下組織の脂肪層の付きが悪いだけなので、
その場合は自然に引っ付くまで経過をみるだけでいいのですが、
まれに筋肉層や腹壁全体まで開いてしまい、再縫合が必要になる
ことがあります。

手術の縫い傷が感染する

術後は誰にも発熱がありますが、それが4日以上も続くと、
手術をした部分に感染が起こっていることが考えられます。

その場合、抗生物質の投与や、たまった膿を取り除く処置が
必要となります。

退院した後に発熱が続く場合は、早めに医師に連絡しましょう。

手術した部分以外の感染

術後には、おなかに力を入れると痛むので、痰の排出を
がまんして、それが原因で肺や気管支に感染が起こることがあります。

また、手術直後には、自力で排尿できないので、導尿したり、
膀胱にカテーテルをいれますが、このときに尿管から細菌が入る
尿路感染もよく起きやすい感染症です。

これらの感染症が起こった場合には、主に抗生物質で対処します。

イレウス(腸閉塞)

開腹手術後、数日間は腸管の機能が低下します。
これは、手術中に長時間、腸管が露出していたことや、
麻酔薬、鎮静剤などの薬の影響によるものです。

この腸管の機能低下がひどくなると、腸管内にガスがたまり、
おなかの張りや嘔吐がおこります。
この状態を麻痺性イレウスと呼びます。

麻痺性イレウスが起こった場合は、食事をストップし、
薬で腸管の運動を促進したり、鼻から管を胃や腸まで入れて、
たまったガスを抜くことで、症状の改善をはかります。

また、手術で腸に癒着が起こった場合、
その部分で腸が締め付けられたり、ねじれたりして、
腸管がつまることがあります。
これを癒着性イレウスといいます。
この場合も麻痺性イレウスと同様の処置をしますが、
それでも改善しなければ、開腹して手術する必要があります。

膀胱炎

手術後の痛みなどで排尿をがまんしていると、
膀胱に細菌が入って膀胱炎を引き起こすことがあります。
この場合も、抗生物質で改善されます。

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