子宮筋腫による貧血を防ぐ

貧血は、血液の中の赤血球が少なくなる病気です。血液の有形成分のうちで最も多く含まれているのがこの赤血球で、血液が赤い色をしているのは、赤血球にヘモグロビンという赤い色素があるためです。そのため、貧血が進んで赤血球が少なくなると、皮膚や粘膜の赤みがなくなり、黄色っぽくくすんだ色になっていきます。

はヘモグロビンの成分で、呼吸で取り込まれた酸素と肺で結びついて、体のすみずみまで酸素を届ける役割をはたしています。貧血で血液中の鉄分が不足すると、酸素が体に行き渡らなくなり、体は酸欠状態となります。

貧血になると、正常な時なら簡単に登り降りできるような坂道や階段でも、ドキドキと動悸がします。心臓の拍動を速めて血液を大量に流し、酸欠状態を解消しようとするためです。また、体内に酸素を大量にとりこもうとして、呼吸がはげしくなり、息切れも起こります。

そのほか、顔色が悪い、目や口の粘膜が白くなるといった外見的な症状や、だるい、寒気、食欲不振、吐き気などの自覚症状がおこります。

子宮筋腫で過多月経になったら貧血に注意する

私たちが一日に摂取すべき鉄の量(鉄摂取基準)は、男性で10mg、女性で12mgです。女性の方が多い理由は、女性が1回の月経で20mg以上の鉄を失っていると考えられるからです。

普通の量の月経でそれだけの鉄が失われているのですから、子宮筋腫などで過多月経になると、鉄の損失はかなりの量になります。過多月経になると、鉄の補充が追いつかず、何らかの貧血状態になっているといっても過言ではありません。血が固まりになって出るようになると要注意です。

しかし、時には見かけの出血量に惑わされることもあります。もともと月経量の多い女性が貧血になることで、むしろ出血量が減ることがあります。出血量は多くないと思っている人が、検査してみると貧血と診断されるケースも多いのです。このような人は、治療で貧血が改善されると、月経量が増加します。

鉄欠乏性貧血と診断されると、病院では鉄剤と鉄の吸収を高めるためのビタミンCが処方されます。

鉄剤を服用し始めると、まもなく血液中の鉄不足は改善されますが、体全体の鉄不足は続くので、2~3ヶ月は服用を続けて、体内に十分の鉄が行き渡るようにしなければいけません。勝手に判断してやめたり量を増やしたりしないようにすることが大事です。

食事で鉄を補う

鉄剤が処方されれば当面の鉄不足は解消されますが、やはり日々の食事でも積極的に鉄を補っていきたいものです。

鉄は一度にたくさんとるよりも、毎日必要な量を続けてとるほうが効果的です。鉄を効率よく取るためには、いくつかのポイントがあります。

ヘム鉄と非ヘム鉄を組み合わせてとる

食品に含まれる鉄には、体への吸収効率がいいヘム鉄と、そのままでは吸収されにくい非ヘム鉄とがあります。吸収率を比較すると、ヘム鉄の吸収率が20~30%なのに対し、非ヘム鉄では2~5%と、かなりの差があります。

ヘム鉄は、レバーなどの内臓肉や肉類、カツオやブリなどの赤身魚、シジミやアサリ、ハマグリ、カキ、干しエビなどの魚貝類に多く含まれています。

一方、非ヘム鉄は、ホウレンソウやコマツナ、シュンギク、パセリ、シソなどの野菜類、ヒジキなどの海藻類、大豆などの豆類に多く含まれています。

ヘム鉄が吸収効率がいいからといって、肉や魚ばかり食べていると栄養が偏りますし、高カロリーにもなります。むしろ効率の悪い分、ヘム鉄食品以上に非ヘム鉄食品をたっぷり取るぐらいのつもりで、バランスよく食べたほうが健康にもいいでしょう。

鉄の吸収を高める栄養素と一緒にとる

ビタミンCは、ヘム鉄、非ヘム鉄ともに鉄の吸収を助けるはたらきをします。ビタミンCは体内で合成することができない栄養素です。ビタミンCを多く含む緑黄色野菜や果実とうまく組み合わせて食べるようにするといいでしょう。

動物性のタンパク質も非ヘム鉄の吸収を促進します。タンパク質はヘモグロビンの重要な構成要素にもなりますので、十分な量を摂りたい栄養素です。

カルシウムも鉄の利用率を悪くするリンの影響を少なくして、鉄の吸収を助けます。ビタミンDはカルシウムの吸収率を高めますので、ビタミンDとカルシウムを含む食品を上手に組み合わせて食べると良いでしょう。

造血を高めるビタミンB群と一緒にとる

ビタミンB12葉酸(ビタミンB群の一種)がないと赤血球がうまく作られません。ビタミンB6も造血に関わる大事な栄養素です。

ビタミンB12はめったに不足しませんが、動物性タンパク質にしか含まれないため、菜食主義の人は注意してください。

【ビタミンB12の多い食品】
アマノリ、シジミ、すじこなど

ビタミンB6は腸内細菌によって合成されますが、抗生物質を服用している人やピルの常用者、妊婦は不足がちになるので注意が必要です。

【ビタミンB6の多い食品】
ニンニク、ピスタチオ、マグロなど

葉酸も葉酸は体内で合成することができないため、食物から摂取する必要があります。妊娠や授乳期には不足がちになるほか、大量の飲酒は吸収や代謝を妨げになります。

【葉酸の多い食品】
レバー、緑黄色野菜、果物、ナッツ類、卵黄など

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