子宮筋腫のMRI検査

MRI(Magnetic Resonance Imaging: 磁気共鳴画像)は、
磁石の中に人が入り、からだにあてられた
電磁波に共鳴した体内の水素原子核からの電波を
機械で受信して、それを画像化する診断装置です。

人間の身体を断面図でとらえることができ、
縦、横、斜めなどのさまざまな方向から、
身体の映像を映し出すことができます。

超音波検査と比べて鮮明な画像が得られるので、
子宮筋腫かどうか判断がむずかしい場合や、
子宮腺筋症、子宮肉腫などとの判別には
MRI検査はかかすことができません。

CT検査との違い

身体の断層画像を得られる同じような検査に、
X線を使って身体を1cm単位で輪切りに撮影する
CT(コンピュータ断層撮影)検査があります。

あらゆる角度から身体の断面を観察できる
MRIに比べて、CTは立体的な位置関係を
つかむことがむずかしく、
X線被爆の問題もあるので、
CT検査は子宮筋腫の判断にあまり適しません。
MRIを備えていない施設で使用することが
あるかもしれませんが、子宮筋腫の検査では、
圧倒的にMRIを使用することが多くなっています。

MRI検査の詳細

MRI検査は、20分から30分ぐらいかけて行われます。

MRI検査では、脂肪がより白く見えるように
画像処理したT1強調画像と、水分を白く強調した
T2強調画像を得ることができます。
子宮筋腫の判断に使用されるのは、
主にT2強調画層です。

T2強調画像で腫瘍が白く見える場合は、
ほとんどが変性した子宮筋腫です。
これは子宮筋腫の30%ぐらいを占めますが、
ごく一部で子宮肉腫の場合もあります。

子宮筋腫の子宮肉腫の判別は、超音波検査より
MRIの方が有効ですが、それでもMRIで
子宮肉腫と診断されて実際に肉腫なのは
半分以下となります。

MRIで診断で子宮肉腫が疑われる場合は、
手術で組織を取り、病理検査にかけて
最終診断を行います。

また臓器の癒着についても判断が難しく、
直接、腹腔内を見てみないと
実際の状態がわからないことも多いです。

術後の妊娠を希望する場合には不可欠

MRI検査では、骨盤内の膀胱、直腸の細部や
脊椎、筋肉の状態などもわかるので、
子宮の位置や大きさが鮮明に調べられます。

筋腫の確定や、筋腫とまぎらわしい病気の
判別以外にも、不妊症治療の場合や
子宮筋腫核手術を行う場合に、
子宮の精密な情報を得る手段として、
MRI検査が行われます。

特に術後の妊娠を希望する場合は、
核を摘出したあとで子宮を元の形に戻すために
事前のMRI検査は不可欠です。
摘出後の子宮の状態が、妊娠できる状態か、
新たに筋腫が発生していないか、なども、
MRI検査でしっかり確認できます。

MRI検査を受けられない人

MRI検査は、画像の精度もよく、
X線被爆の心配もない便利な検査方法ですが、
難点もいくつかあります。

狭い、大きな音がする

現行のMRi装置は、トンネルタイプが一般的です。
トンネル型は高性能のものを製造しやすいのですが、
検査する場所によっては、被験者がすっぽりと
狭い筒の中に入った状態になります。

しかも撮影中は「ウィーン」「ガンガン」と
工事をしているような音が、
高さや大きさを変えながら断続的に続きます。
検査中はなるべく身体を動かさないように
しないといけないので、この状態で、
20分以上はじっと我慢しなければいけません。

そのため、狭いところが苦手な人には、
かなり苦痛な検査です。

最近では、開放されたオープン型のMRIも開発されています。
音はあまり変わりませんが、広く開放した状態で
検査が受けられるようになっています。
でも導入台数はまだまだ少ないのが現状です。

金属類はダメ(ペースメーカーや人工関節なども)

MRIは強力な磁石を使用するため、金属が吸い寄せられたり、
熱を帯びたり、精密機械が狂ったりします。

携帯電話やイヤリング、ネックレスの類がダメなのは
もちろんですが、化粧やタトゥーなども
金属粉が使用されていることがあり、
熱を帯びてやけどすることがあります。
化粧品は事前に必ず落とします。

また心臓の人工弁やペースメーカー、脳動脈クリップ、
ステントなどの金属物を体内に入れていたり、
膝関節や股関節に人工関節、骨の補強に金属を入れて
いる人は検査できないことがあります。
過去に手術の経験がある人は、必ず医師に申し出てください。

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