マイクロ波子宮内膜アブレーション(MEA)

マイクロ波子宮内膜アブレーション(MEA)は、
子宮筋腫や子宮腺筋症にともなう過多月経を
軽減するために、子宮内膜にマイクロ波を照射して、
子宮内膜組織を焼灼(しょうしゃく:焼くこと)し、
壊死させる治療法です。

MEAは、子宮筋腫そのものの治療ではありませんが、
月経過多を改善し、貧血などの症状に大変効果のある治療法です。
手術で月経血は確実に少なくなり、50%以上は生理自体が無くなります。

マイクロ波は最も波長の長い電磁波で、日常生活で
広く利用され、人体への安全性も確立しています。

加熱の仕組みは電子レンジの原理と同じもので、
水などの誘電物質にマイクロ波が照射されると
効率よく熱が発生するという性質を利用しています。

子宮内膜組織も水を多く含むため、マイクロ波の照射で
発熱し、凝固・壊死(えし)します。

治療は数分から数10分で安全に実施できます。
体に負担がかからないので、日帰りも可能ですが、
通常は手術後の経過観察のために1泊2日の入院で行います。
退院後はすぐに通常どおりの生活に戻ることができます。

平成24年4月から、健康保険が適用されるようになり、
過多月経に悩む人に、費用面でも負担の少ない治療法になりました。

マイクロ波子宮内膜アブレーションの適応

  • 子宮筋腫・子宮腺筋症による過多月経で、対処が必要だが子宮は残したい
  • すべての子宮内膜にマイクロ波アプリケーター(治療器)が容易に到達できる
  • 妊娠していない
  • 今後妊娠を望まない
  • 子宮がんや卵巣がんなどの悪性疾患がない
  • 子宮壁の厚みが10mm以上

マイクロ波子宮内膜アブレーションは子宮を残す処置ですが、
受精卵が着床するための子宮内膜を焼灼してしまうため、
将来の妊娠は難しくなり、不妊になる場合もあります。

また子宮内膜層が10mm以下と薄い状態だと、
治療することで子宮に穴を開けてしまったり、
周辺組織にまで熱が伝わって、熱傷する危険性があるので、
子宮内膜層の厚さが一定以上あることも適応条件の
一つとなります。

マイクロ波子宮内膜アブレーションの治療方法

治療は全身麻酔で行われます、
このため、手術中に痛みや熱さを感じることはありません。

まず、子宮内を超音波でモニターできるように、膀胱内を
生理的食塩水を満たし、子宮鏡で子宮腔内のチェックを
行います。

お腹のうえから超音波でモニターしながら、
マイクロ波アプリケーターと呼ばれる直径4mmの金属管を
膣から子宮内に入れ、アプリケーターの先端周囲の組織を
加熱していきます。
子宮腔の内面すべてにマイクロ波を照射したら終了です。

焼灼は10~20分で、準備などを合わせた全体の手術時間も
30分程度です。

手術後は独歩で帰宅可能です。
翌日以降に日常生活には支障ありません。

痛み止めの薬が出るくらいで、特に継続した治療も必要ありません。

手術後の副作用

手術直後は下腹部に少し痛みが出ることがありますが、
一晩から2、3日でおさまります。

少し血液が混じる帯下(たいげ:おりもの)が
2週間ほど持続することがあります。

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