不妊の場合の筋腫治療

子宮筋腫は必ずしも不妊の原因になるとは限りませんが、
筋腫があって、それ以外の不妊原因がはっきりしない、
というときに、医師より子宮筋腫核出術をすすめられることがあります。

筋層内筋腫や粘膜下筋腫で子宮内が変形していると、
受精卵が着床しにくくなりますが、筋腫を取ることで
変形していた子宮内腔が正常に近い状態にもどり、
着床障害も改善する可能性が高くなります。

また、卵巣や卵管と子宮の癒着などを剥離することもでき、
子宮周囲の環境も、正常な状態に近づけることができます。

手術をすれば必ず妊娠できるようになるとは限りませんが、
筋腫による障害を改善することで、妊娠しやすくなることは、
統計でもあきらかです。

術後の癒着を防ぐなら腹腔鏡下手術

不妊の場合、筋腫を核出する一番の目的は、
子宮の形状をできるだけ正常な状態に戻すことです。

でも、核出術では術後に癒着が起こりやすいという問題があり、
筋腫の核出を開腹手術で行う場合には、70%~80%の割合で
癒着が起こります。

せっかく子宮の状態を良くするために手術を行ったのに、
癒着でかえって妊娠にしにくくなるのでは意味がありません。

そのため、不妊改善のための核出術は、多くの場合、
腹腔鏡下手術が選択されます。
腹腔鏡下手術の癒着の可能性は、開腹手術の半分以下なので、
手術で卵管が癒着してしまうトラブルも少なくなります。

核出術を行うと、術後一年間以内に半分ぐらいの人が妊娠し、
最終的には7割ぐらいの人が妊娠します。
不妊の人の筋腫治療で、腹腔鏡下手術による核出術は、大変効果の高い方法といえます。

核出術後はあいだをあける

子宮筋腫核出術で筋腫を取ったあと、妊娠までは少し間をあけなけれなりません。
核出術では、子宮の壁にメスを入れますので、
その傷が回復しないうちに妊娠すると、出産時にその部分がさけてしまい、
最悪の場合、子宮破裂が起こることがあるためです。

子宮破裂をまねくと、赤ちゃんが死亡したり、後遺症が残ることもありますし、
またお母さんの生命にかかわることもあります。

子宮破裂を防ぐためには、術後しばらくは避妊し、妊娠を避ける必要があります。
避妊する期間は、手術の傷の大きさや深さ、数にも影響されますが、
目安はだいたい4ヶ月から半年ぐらいです。
その間は、MRI検査などで子宮の状態が良好かどうかを経過観察します。

核出術で、傷口の縫合が不完全な場合は子宮破裂の可能性が高まります。
腹腔鏡下手術では開腹手術に比べて、どうしても不完全になる可能性が高くなります。
この場合、子宮破裂を防いで出産するには帝王切開するしかありません。

核出術を行った医師なら傷口の状態がわかるので、
その後の出産で帝王切開したほうが良いかどうか判断できます。
術後は、将来帝王切開したほうがよいかどうか、必ず確認するようにしてください。

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