子宮のはたらき

子宮筋腫の治療には、「子宮を全摘する」という選択肢もありますが、そんなことをすると、女性らしさが失われてしまうのでは、と不安になる人がいるかもしれません。

よく誤解されるのですが、女性らしさを発現させる女性ホルモンは卵巣で作られているため、子宮を失っても卵巣さえ正常に機能していれば、女性らしさを失うということはないのです。子宮全摘術でも、卵巣の状態に問題が無ければ、通常は卵巣を残して施術されます。

では、子宮そのものにはどのような役目があるのでしょうか。

出産に関して言うなら、子宮は大事な2つの役割を持っています。

子宮は受精卵を受け入れる場所

子宮の内側は、受精卵を受け入れやすくするために、子宮粘膜と呼ばれるビロード状の粘膜で覆われています。子宮粘膜の役目は受精卵の着床床になることで、毎月受精に備えて厚みを増していき、妊娠が成立しなければはがれ落ちて膣から排出されます。これが月経ですね。

卵巣で排卵が起こると、卵子は卵管采から取り込まれて卵管に送られます。一方、膣内に射精された精子は子宮内を通って卵管に入り、卵子と受精して受精卵になります。受精卵は卵管を通って子宮内に入ります。

子宮内では排卵に合わせて子宮粘膜が成熟しています。受精卵がその子宮内膜に着床することで妊娠が成立します。

赤ちゃんを保護して育てる場所

子宮のもう一つの大きな役割は、妊娠後に体内で赤ちゃんを育てる入れ物となることです。
子宮は厚さ1~2cmの平滑筋と呼ばれる筋肉組織でできています。平滑筋は、手足の筋肉などとは違い、上下左右に大きく伸び縮みすることができる筋肉です。

受精卵は分裂を繰り返して胎芽から胎児となり、さまざまな器官が作られて産まれるまでの10ヶ月間、成長を続けます。子宮はそれに応じて伸び広がり、出産の直前では長さ35cm、幅25cmぐらいまで大きくなります。

その間、子宮の中は羊水で満たされて赤ちゃんを守ります。受精卵が着床したところにできる胎盤からは、赤ちゃんに栄養分が送られます。子宮全体が赤ちゃんの成長に合わせて大きくなるベッドのようなものです。

そしていざ出産するときには、子宮はこれまでの成長とは逆に収縮し、赤ちゃんを外へ送り出すはたらきをします。

無事出産を済ませると、子宮は産後1ヶ月ぐらいで元の大きさに縮む仕組みになっています。

子宮頸部は体内に細菌が入るのを防ぐ栓の役割

子宮は子宮頸部を通じて膣外とつながっています。
子宮頸部は月経時に子宮内膜や血液の排出路となるとともに、精子の通り道となり、出産時には大きく広がり胎児が通るところでもあります。

一方、子宮が外部と直接つながっているために、細菌が体内に入り込み感染症を起こすリスクもあります。女性の外陰部には、大腸菌などの様々な細菌がついていますし、精子にも雑菌がついています。
そこで細菌の侵入を防ぐために、普段は子宮頸部が閉じて、いわば栓のはたらきをしています。

通常ですと、精子は子宮頸部を通ることはできません。けれども、排卵が近づくと子宮頸部から分泌液が出るので、精子が通りやすくなります。

妊娠するか、妊娠に失敗すると子宮頸部は再び閉ざされます。胎児が成長するまでは栓の役目を果たし、外界の細菌から赤ちゃんを守るのです。

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